令和4年度(2022)構造一級建築士試験 解説【法適合確認 No.3】

構造設計一級建築士試験の過去問解説シリーズ。今回は 令和4年度(2022) 法適合確認 No.3 を取り上げます。

今回のテーマは 「建築基準法における地震力」
地震荷重は構造設計の根幹であり、試験問題でも毎年必ず触れられる重要分野です。
一見シンプルな記述問題に見えますが、実務でもよく問われる「積雪荷重の扱い」「屋上工作物」「仕上げ材の検討」など、現場で迷いやすいテーマが含まれています。

この記事では問題文と解答を振り返りながら、実務での注意点にも触れて解説していきます。

問題

建築基準法における地震力に関する次の記述のうち、最も不適当なものを選び、不適当とする理由を述べよ。

1.高さが60mを超える超高層建築物については、建築物の供用期間中稀に発生する地震動(数度は経験することが予想されるレベル)及び極めて稀に発生する地震動(安全上検討が必要な最大級レベル)に対して検討する。
2.建築基準法第20条第1項第二号の建築物の屋上から突出する水槽で、取り付け部からの高さが2m以下の場合、地震力に対する検討は不要である。
3.建築物の地震力について、地震層せん断力係数を乗じる荷重の算定にあたり、特定行政庁が指定する多雪区域内においては、固定荷重及び積載荷重のほか、積雪荷重を加えるものとする。
4.限界耐力計算を採用した建築物の屋根ふき材は、風圧力に加え、地震力に対する検討も必要である。

解答

不適当なのは「2」

解説

選択肢1

正しい。
高さ60m超の超高層建築物は、時刻歴応答解析を行い、下記のレベルでの検討を行うことが、建築基準法で規定されています。(大臣認定ルート)

  • 「稀に発生する地震動」(供用期間における数度経験レベル)
  • 「極めて稀に発生する地震動」(供用期間における安全性上最大級レベル)

選択肢2

誤り。
下記の建築物の屋上から突出するものは構造計算が必要となる。(平12建告第1389号)

高さによる規定はなく、取り付け高さが2m以下であっても免除はない。

  • 水槽
  • 冷却塔
  • 煙突
  • その他これに類するもの

選択肢3

正しい。
特定行政庁が指定する多雪区域では、地震力の算定における重量に積雪荷重(短期積雪荷重の0.35倍)を加える必要があります。

選択肢4

正しい。
限界耐力計算を採用した場合でも、屋根ふき材は風荷重と地震荷重の両方で脱落の検討が必要です。
(令82条の5第七号、平12建告第1457号第11)

実務のポイント

屋上に設置する設備架台や塔屋などは、地震力を水平震度1Gとして検討を行います。

一貫計算モデルでは階をPH階と設定すると自動で地震力が1Gとなるソフトもあるので、計算条件も一緒に確認しておきましょう。

まとめ

今回の問題は、
「屋上設備は高さに関係なく検討が必要」
という点を押さえていれば迷わず正解できます。

地震荷重に関する規定は「条文知識」だけでなく、実務での安全検討に直結する内容です。
試験勉強とあわせて、普段の業務でも「荷重をどう考慮するか」を整理しておくと良いでしょう。

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